私は普段、清澄白河行きとか、押上行きという電車に乗っています。
現代人なら誰しも、自分の乗る電車の行き先は知っているはずです。まさか知らない人なんていないでしょう。
ところで、日本の若者はどこへ向かうのでしょうか。現在20歳ごろの若者の最大の関心事は何でしょうか。
きっとAKBと小沢ではないだろうと思います。そう願います。

20歳くらいの人ってどんな人でしょうか。大学に通っているのかな。
大学・短大進学率は59.4%らしいです。高校生の約6割が大学に行っているんですね。割と大きい数字だと思います。
そして、この大学生たちがこれから本格的に経済活動に身を投じる人たちですから、この先日本経済にインパクトを与えるのはこの層です。それを分かっているからこそ、大学生の最大の関心事は「就職」でしょう。いや、実は就職「活動」です。

就職活動(いわゆるシューカツ)は、大学3年生にとって生活の一部とも言えます。悲しくもその年度のテーマなんですね。
もはや大学1年のときから企業でインターンを始める学生もいるほどです。就職活動の早期化は、至る所に見られます。
それでも、昔から早くに準備を始めるというのはあったわけです。会計士になるためにスクールに通ったり、弁護士になるためにロースクールに通ったりもそうです。
中学は高校入学のための準備段階ですし、高校は大学入学のための準備段階で、大学は就職のための準備段階となり、仕事は老後のための準備段階であります。
ざっくりこんな人生があるわけですが、何故そのようになってしまうのか。何故大企業に入りたいのか。
それら「準備」が終わったらどの船に乗るつもりなのか。

どの会社・団体に入るかは、善し悪しで語ることではないと思いますから、言う事はありません。
ですが、大企業に入る理由として「安定」とか「報酬」とか「名誉」で考えている奴!が多すぎます。
諸アンケートで大企業志向は減りましたというのを目にしましたが、アンケートの取り方があっぱれですので是非チェックしていただくと良いと思います。「『絶対大手企業でないと嫌だ』が◯.◯ポイント減り・・・」みたいに書いてありますが、現代の草食系は「絶対大手企業でないと嫌だ」なんて口が裂けても言えないんじゃないですか。

ともかく、大企業志向というのは根強く残っています。自分が乗るモノの行き先なんて知ったこっちゃないという方はたくさんいる。ただその豪華客船に乗りたい、というわけです。それが、実際の電車くらいだったら行き先について頭を巡らせることもできます。10分とか30分先の未来のことですから。でもそれが5年、10年先となるともう行き先には目をつむって競争の勢いで「えいっ」と飛び乗ってしまう。飛び乗った先ではみんな運命共同体だから居心地がいい。自分たちだけ飛び乗れた、さぁひと安心と。この乗り物がどこへ向かおうが楽しそうに
できるのが長所です。

大企業といえど、数年前までは名もなき中小だったりしますね。だからどうだってことではないですが、就職活動をする学生はなぜか大企業にありもしない魔力を感じ取ります。そのバイアスが問題だと言っているんです。就職するのがゴールの就職活動。就職活動をするのが目的の大学3年生。
どうして行き先不詳のまま電車に乗る事ができるのでしょうか。



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